人身傷害補償保険は、自動車の運行に起因する急激かつ外来の事故によって、保険証券記載の被保険者、その父母・配偶者・子等が死傷した場合に、その過失割合にかかわらず、人身損害額全部を契約金額の範囲で補償する任意自動車保険です。
平成10年10月以降に発売された保険で、平成22年からは各保険会社の任意保険の基本契約に組み込まれるようになっており、現在ではかなりメジャーな保険といえます。
人身傷害補償保険は、自損事故の場合でも支払いを受けることができるため、自損事故保険の存在意義はかなり低下しています(人身傷害補償保険を廃止している保険会社もあります)。
ただし、人身傷害補償保険はメジャーな保険となったとはいえ、支払基準(契約金額)は、かなり低い金額に設定されており、またその支払基準の範囲内でしか保険金は支払われないため、完全な補償を受けられるわけではありません。
そのため、まずは加害者側の付保する対人賠償保険から損害相当額の保険金の支払いを受け、それによっても補償されなかった部分の損害を、最終的に自身の付保する人身傷害補償保険から支払ってもらうという方法がよいと思います。