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その他の積極損害

治療関係費通院交通費のほかにも、支出を余儀なくされた損害(積極損害)については、賠償の対象となり得ます。個別の損害項目のうち大まかなものとしては以下のとおりです。

入院付添費用

被害者が入院した際に、ご家族が付き添って、被害者の身のまわりの世話をしたりすることがあります。その場合、付添人も時間と労力をかけている以上、この付添費用が損害の1つとなり得ます。近親者付添人は1日につき6500円が被害者本人の損害として認められます。
また、ご家族の方が多忙等の理由で自ら付添をできない場合でも、お金を払ってヘルパー等に身のまわりの世話をしてもらうことがあるかもしれません。実務的には、医師の指示がある場合、又は受傷の程度・被害者の年齢等により必要性が認められれば、このような職業付添人に支払った実費全額が賠償の対象となります。
なお、症状の程度により、被害者が幼児や児童である場合、入院付添費用は10%から30%の範囲で増額を考慮されることがあります。

通院付添費用

被害者が通院をする際に、ご家族が付き添うことがあるかもしれません。しかし、その場合でも、本来、被害者1人での通院も可能なことがあります。
入院の場合とは違って、通院付添費用が損害として認められるのは、被害者が幼児等であるため1人での通院が不可能な場合や、被害者が大人でも症状が重くて付添人なしでは通院できない場合などに限られます。
通院付添費用は、実務上、1日あたり3300円となっておりますが、事情に応じて増額を考慮することがあります。

症状固定までの自宅付添費

被害者の病院期間中や通院日以外にも、ご家族が、ある程度被害者の症状が落ち着くまでの期間(症状固定までの期間)、自宅で付き添うことがあります。
この症状固定までの自宅療養期間中の付添いに関しても、被害者の症状等によっては付添が必要であると認められれば、付添費用が損害として認められることになります。もっとも、被害者の症状がかなり重篤な場合にのみ認められる傾向にあります。
具体的な付添費用の金額は、事案によって区々で、だいたい2000円~9000円くらいです。

将来介護費

被害者が、交通事故によって、脳機能に重篤な障害(遷延性意識障害、失麻痺、高次脳機能障害など)が残ったり、重度の脊髄損傷等の後遺障害が残った場合、将来にわたって介護が必要になります。
そのため、医師の指示又は症状の程度により必要があると認められれば、将来介護費が賠償の対象となります。
具体的な金額としては、ヘルパーなどの職業付添人の場合は要した実費全額、近親者付添人の場合は1日につき8000円ですが、具体的な看護の状況により増減することはあり得ます。

入院雑費

入院をすると、病院生活で諸々の雑費がかかります。実務上は、実際に必要となった雑費の費目・金額の立証は要せずに、1日あたり1500円で計算されています。

装具・器具等購入費

交通事故によって身体の各部位の欠損障害を負った場合、例えば、義歯・義眼・義手・義足等の装具が必要となることがあります。これらの購入の必要性が認められる場合には、この購入費も損害として賠償の対象となります。
これらの他にも、相当期間で交換の必要があるものについては、将来の購入費用も原則として全額賠償の対象となります。
上記のほか、眼鏡、コンタクトレンズ、車椅子(手動・電動・入浴用)、盲導犬費用、電動ベッド、介護支援ベッド、エアマットリース代、コルセット、サポーター、折り畳み式スロープ、歩行訓練機、歯・口腔清掃用具、吸引機、障害者用箸、脊髄刺激装置等があります。

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